
経歴
学歴 | 大阪大学医学部卒業 名古屋大学大学院医学系研究科博士課程修了、博士(医学)取得 |
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職歴 | 名古屋大学医学部付属病院 老年内科 名古屋大学医学部付属病院地域連携・患者相談センター |
活動 | 『高齢者在宅医療・介護サービス ガイドライン2019』作成委員会 |
研究実績 | Peptides 2019 Aug;118:170092. Plasma orexin-A-like immunoreactivity levels and renal function in patients in a geriatric ward Psychogeriatrics 2019 Nov;19(6):628-630. Plasma orexin-A levels in patients with delirium Arch Gerontol Geriatr Sep-Oct 2020;90:104155. short physical performance battery discriminates clinical outcomes in hospitalized patients aged 75 years and over |
講師 | 研修会「認知症患者の看護~その人らしい生活を支援する看護~」(主催:愛知県看護協会)/令和元年11月 研修会「認知症患者の看護~その人らしい生活を支援する看護~」(主催:愛知県看護協会)/令和2年12月 |
インタビュー
患者さんのために、医師として特に大事にしていること
患者さんご本人の意向を大切にしています。
そのために日々の診察の中で心がけていること
患者さんがご高齢だったり認知症を患っていたりすると、ご家族をはじめとした周囲の方々だけで診療方針を決めてしまいがちです。その結果、ご本人にとって利益の小さい選択となり、ご家族に必要以上の心配や後悔をさせてしまうことがあります。できるだけご本人の意向を確認し、関係する皆で話し合うように努めています。
心に残る患者さんとの思い出
総合病院から当院へ転院された60歳代の患者さんのお話です。神経の病気により両足に力が入りにくくなったことに対するリハビリが目的でした。癌も患っておられ、いくつかの転移も見つかっていました。
リハビリは少しずつ進んいたものの、入院中の経過観察を目的とした検査により、癌の転移が想定をかなり上回る速度で増加・増大していることが判明。残された時間は長くないと考えられ、リハビリは途中で切り上げて、予定より早く自宅へ退院することが選択肢にあがりました。ご本人・ご主人と面談したところ、「車いすからトイレへ一人で移れるようになってから退院したい。今はリハビリを頑張るのが生きがいだから」とのお考えをお聞きして。ご本人の意向を尊重し合計3ヶ月のリハビリを続けた結果、幸いにも目標を達成され退院されました。
その後、半年ほどしてお亡くなりになったとお聞きました。リハビリで動けるようになったことに対して、非常に満足しておられたとの言葉が心に残っています。
どんな医師を目指していますか?
「自分が患者なら診てもらいたい医師、自分の家族を診てもらいたい医師」を目指しています。
「良い医師」の指標は、診断が正確、話をよく聞いてもらえる、などざまざまです。一つに集中することも大切ですが、せっかくなので多方面でより良くありたいと思います。ただ「色々な面で良い医師になる」という目標は曖昧すぎて、普段の自分の行動を決めるときの基準にするのは難しいです。
「自分が患者なら診てもらいたい医師になる」という目標であれば、行動の基準として少し明確になります。少し疲れて診療が雑になってしまいそうなときにもうひと頑張りするカンフル剤のような役割です。